お施主様エピソード
2025.11.28
【006】お施主様エピソード Vol.02 S様邸
過去に「ひとてま」が手がけた事例を振り返りながら、私たちとお客様との関わり方をイメージいただくこの企画。
2回目となる今回は、築50年のお家の建て替えを行ったS様ご夫妻です。
悩みの種だった古い自宅が、美しく、使いやすく生まれ変わりました。
奥様へのプレゼントは、「終の棲家」。
ふたりのお子様がすでに独立され、愛犬を含めた2人と1匹で暮らすS様ご夫妻。旦那さまはゴルフを、奥様はステンドグラスづくりを楽しまれており、おふたりにとって最大の癒やしは、ワンちゃんとじゃれることだそうです。
一見、“人生の後半戦”を優雅に過ごされるおふたりに見えますが、大きな問題がありました。それが築50年にもなる古いお家。土台や木材、畳などの腐食、老朽化が進み、何か手立てがないかと思案する日々が過ぎていきます。
そこから情報収集のために住宅展示場に出かけたり、女性の設計士さんがいる事務所を訪れたりしたS様ご夫妻。奥様はリノベーションではなく建て替えを希望されており、旦那様は「家にいることが多い妻が快適に過ごせるためには、しっかりとした話し合いができる人と家づくりをしたい」と考えていたそうです。
しかしはじめに相談をした設計事務所では、2回目の打合せでプランと見積もりを提示してきたとのこと。これでは「しっかりと想いを汲んでくれているのか?」と不安になってしまうのも仕方ありません。
どのように想いをカタチにするのか。「ひとてま」では、担当者がとことん対話を重ねます。
そんな中、インターネットで私たち「ひとてま」を見つけ出し、お問合せをいただきました。しかしそこではタイミングが合わず、お会いすることないままに少し時間が経っていきます。その後、S様のお知り合いが住む素敵な家を建てたのが「ひとてま」だったと分かったそうで、それをきっかけに再度ご連絡をいただくこととなりました。
そこから相談が始まり、これまでに私たちが手がけた家を見学していただくなどの“助走期間”を経て、「ひとてま」との家づくりはスタート。「すぐに契約を迫ることなく、じっくりと話を聞いてもらえることに安心感を覚えた」と奥様は語ります。また旦那様としては「奥様へのプレゼント」という気持ちで計画を進めていったそうです。
ご夫妻とワンちゃん、そしてお子様への想いまで。
思い出深いできごとがひとつあります。それはファーストプランを提出した時のこと。
独立されて今はもう家には住んでいない娘さんから「もっと奇抜なものがいい」という声が届き、旦那様と真剣に議論を重ねたそうです。結果的には大きな間取り変更はなく、旦那様も「これでよかった」と納得をされているようですが、思わぬところからの指摘に私たちも驚きました。
このエピソードに代表されるように、ご夫妻にとっての「終の棲家」であるにもかかわらず、すでに独立された2人のお子様、そして愛犬への想いが詰め込まれているのが印象的なS様邸。
いつ遊びに帰ってきてもいいようにお子様用の部屋を大きめにとったり、小さな頃に書いた作文や絵、作品を飾るスペースをつくったり。また愛犬のために体にもやさしく滑りにくい床材を選び、リビングの隣にはドッグルームまで設けられています。
ワンちゃんも楽しそう。思わず旦那様にも笑みがこぼれます。
約9ヶ月の打合せ期間と、約5ヶ月の施工期間を経て、S様のお家は無事に完成。感想を伺うと「途中で変更をお願いすることもありましたが、設計士さんがいつも一緒に立ち止まって考えてくれたことで、オンリーワンの家ができた」と旦那様は話してくれました。
また奥様も「風通し、収納、導線、すべてが大好き。空が見えるリビングでご飯を食べると、美味しく感じられる」と満足そうな様子。奥様はこの家を建てた後に、趣味だったステンドグラスづくりにより本格的に取り組むと決めていたそうで、作業スペースも確保していました。今では作品を飾る棚の増設を設計士と一緒に検討するなど、新しい暮らしを満喫されています。
専用の作業スペースが出来上がり、さらに精が出ます。
おわりに
S様邸の家づくりを通して、私たちが改めて感じたのは、お客様の話をじっくりと聞くことの大切さ。それによって分かることや見えてくることがたくさんあります。
例えばご要望いただいたことを不採用にする際でも、しっかりと対話をしていたからこそ、納得いただける説明ができて、気持ちに“しこり”が残りません。逆に無理と思っていたことを採用できた部分もあり、それも深いヒアリングやディスカッションがあればこそ。
S様ご夫妻にも、私たちのそういった姿勢に共感してくださり、結果的には非常に満足度の高い1邸を提供することができました。お二人だけの時間はもちろん、愛犬にとっても、お子様達が帰ってきた時も快適に過ごせる家ができたこと、非常に嬉しく感じております。