住まいの工夫
2026.03.31
【010】四季の移ろいや、経年を楽しめる家づくり。
言わずもがな、家は建った瞬間がゴールではなくスタート。そこから長ければ40〜50年にわたって生活の基盤となる場所となります。
そう考えた時に私たちが大切にしていることは何か。少し考えていきましょう。
暮らしながら四季を感じ、楽しむためには?
「自然」は、時に厳しく、生活する上で“敵”にもなりうる存在。しかしながらそれを遮断するのではなく、暮らしに取り込むことで、四季を身近に感じられる住まいが生まれます。
その実現のために私たちがオススメするのが「呼吸する家」。木や珪藻土といった自然素材を活かし、空気の流れまでも操作することで、温度と湿度を調整し、気温差を柔らかく受け止めてくれる家を指します。
夏はサラッと、冬は空気が重くなるのを防ぎ、1年を通して心地よく過ごすことができるのが、呼吸する家。テクノロジーに頼りすぎず、家そのものが暮らしに寄り添ってくれるように設計することで、心身ともに負担の少ない毎日が過ごせます。
季節の変化を楽しむために住んでいる人が特別なことをする必要はありません。窓を開けて風を感じる。外の景色に目を向ける。時には陽だまりの中に身を置いてみる。それだけで季節の移ろいは十分に感じられ、その家での生活をもっと好きになれると思います。
そして私たちが設計をする際に必ず考えるのは「この家から、どんな季節の表情が見えるのか」ということ。例えば光の入り方や風の抜け方は、窓の位置や高さを少し変えるだけで、大きく変化します。
経年を楽しむためには?
自邸は賃貸マンションやホテルなどと違って、生涯にわたってずっと住み続ける場所。大切なのは、暮らしの中で必ず生まれる家の中の「キズ」や「汚れ」などをマイナスに捉えないことです。それらは家族がこの家で過ごしてきた証であり、暮らしの積み重ねそのもの。本来、とても愛すべき存在であるべきです。
「完璧な状態を保つ」ということは、自邸において絶対的な価値ではありません。手をかけながら、住む人と一緒に年を重ねていくこと。それが私たちひとてまが大切にしている価値観です。
私たちが大切にしているのは、完成した瞬間よりも「10年後、20年後の姿」を想像すること。視線が外へと抜けるリビングや、風の通り道を意識した間取りなど、すべては「住んでからの心地よさ」を軸に設計しています。
また無垢材や自然素材は、時間とともに色合いや表情が変わっていき、暮らしの歴史を刻んでくれるもの。新しさだけを尊ぶのではなく、住むほどに深まる愛着にこそ着目する。そのために素材もデザインも流行などに左右されないシンプルなものを選び、長く寄り添えるものを選びます。
おわりに
いかがでしたか? 主張しすぎず、それでいて確かな居心地がある。私たちが目指すのはそんな家です。
住む人の暮らしにそっと寄り添い、時間とともに味わいを深めていく。そんなひとてまの家づくりをぜひ体感してみてください。